チャットモンチーが残した耳鳴り

 もう10年も前の話になるのですが、当時同室だった姉がよく流していたFM802SCHOOL OF LOCK!』で新曲「世界が終わる夜に」を聴いたのが最初の出会いだったと思います。小学校高学年の頃でした。『わたしが神様だったら~』となんだか頭に残るフレーズ。当時はYUKIとかも流行ってたかもしれません。そろって変な曲だなーと思っていました。

 チャットモンチーに再会したのはそれから5年後の話になります。当時バンドをしたかったのにできずにいた高校生の僕は、同じく音楽好きの同級生H君と競うように音楽を聴いていました。

 H君とは別の大学に進学し、めっきり会わなくなってしまいました。あれほど趣味も気も合う友人はいまだに作れてないなぁなんて最近になって思います。元気にしていますか?二人で大阪のでんでんタウンにあるK2レコードでアルバムを借りまくってはおすすめアルバムをレコメンドし合いましたね。K2レコードは最高。みなさん行きましょう。

 さて、チャットモンチーとの2回目の出会いですが、H君のレコメンドによるものでした。趣味が合うといいましたが、高校生活も後半になると段々と嗜好が分かれてきていて、僕は当時どハマりしていたNUMBER GIRLから派生して洋オルタナティブロックの世界に突入。H君はかなり幅広く深く聴いていて、どちらかというと日本のポップなものが好みなようでした。

 「チャットモンチーの告白ってアルバムがすごい良い」「スーパーカーいしわたり淳治がプロデュースしてる」「ドラムが抜けてからの変身ってアルバムもいい」へぇと思いその二枚を借りて聴きました……がその時はいまいちだったのを謎に鮮明に覚えています。当時聴いていたソニックユースなどと比べて音質に対する違和感がすごくあって「ポップスの音はつまらないなぁ」とか言ってた気がします。思い出してなんだか恥ずかしい気持ちになってきた……

 3回目の出会いはよく覚えてないんですよね。大学生になってから「こういうのも悪くないな」なんて思い始めてちょっと聴くようになって、いつの間にか好きになっていたのでしょう。 今やチャットモンチーは「絶対にオススメしたい邦楽の名アルバム10選」にまで食い込んでます。

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 なんで今はこんなにチャットモンチーが好きなのかということを考えてみました。大胆にいうなら、チャットモンチーはポップスの皮を被ったオルタナバンドだからです。

youtu.be

 これは「恋愛スピリッツ」の前身である「恋愛スピリチュアル」インディーズ時代の曲です。皆さんの知っているチャットモンチーの曲調からはかけ離れているのではないでしょうか。

こちらがおなじみの方

 思うにGtVoのえっちゃんの持つあまりにも濃いオルタナティブさにBassのあっこびんとDrumsのくみこん二人の歌詞が逆らった結果、奇跡的なバランスが取れて「シャングリラ」をはじめとする名曲が生まれたのではないでしょうか。プロデューサーであった元スーパーカーいしわたり淳治のアレンジも寄与しているかもしれません。

 実際 、このバランスが崩れた時のチャットモンチーはポップスとしていまいちパッとしませんでした。いしわたり淳治さん抜きのセルフプロデュースで作られた「You more」というアルバムや、Drumsくみこんが脱退して二人体制で作った「変身」がそうです。特に「変身」はとても濃いオルタナティブな内容になっています。聴きましょう!

 そしてオルタナティブなのは音楽的な内容だけではありません。ドラムが抜けた時点で二人だけでバンドを続けるというとんでもない行動に出ます。当時お茶の間にも登場するようになっていた「成功」していたバンドが解散危機の最中にそんな発想をするのはぶっ飛んでるとしか言いようがありません。普通メンバー補充するか解散するでしょ。

 ぶっ飛びはそれだけでは止まりません。武道館ライブで解散かと思いきや、解散に際して自分でフェスを主催してそこでキャリアを終わらせる宣言。ファンなのに意味がわからず思わず「……なんで?」って言っちゃいましたよ。行きましたけどね!

 

 前例がなくても本当にしたいことがそこにあるなら迷わずその道を選び取る。そうやって変わり続けてきた彼女たちが最後に選んだ「完結」という言葉がぴったりに思うのは、歩んできた道のりがそう思わせてくれるのでしょう。

チャットモンチー、変なバンドだった。たぶん一生忘れられません。

 

チャットモンチーが残した音楽は僕の中でずっと鳴り続けるのでしょう。おしまい。

 

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